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少女小説から世界が見える 川端有子

  少女小説から世界が見える 

少女小説から世界が見える
出版年:2006年 著者:川端 有子



【著者のデータ】
【川端 有子 かわばた ありこ(1962年生~)】
 京都生まれの児童文学研究者。日本女子大学家政学部児童学科教授。イギリスの19世紀小説、イギリス文化、英語圏の児童文学を研究している。


  この本は19世紀後半から20世紀前半までの少女を主人公にした、いわゆる「少女小説」を解説、分析した本です。

 主に取り上げられているのは「若草物語」「家なき娘」「小公女」「赤毛のアン」「あしながおじさん」などの有名5作品。

 現代以上に女性の立場が弱かった時代に、この作品のヒロインたちは何をどう思い乗り越えていったのか?

 著者はそれぞれの作品を時系列に並べ、各作品のヒロインたちを比較することで当時の社会情勢、ジェンダー問題などを分析していきます。

 時系列では「若草物語」1868年、「家なき娘」1893年、「小公女」1905年、「赤毛のアン」1908年、「あしながおじさん」1912年となります。

 この時代の流れの中で、主人公の少女たちを取り巻く環境や立場が変わることで何が見えるのか非常に興味深く読めました。

 そんな中で著者は、「少女小説」の闇というか裏側にも言及しているところが興味深い。

 例えば「あしながおじさん」の主人公ジュディを援助する「あしながおじさん」の行為を「気に入った少女を見つけ自分ごのみの女に教育し妻に迎える」いわゆる「ピグマリオン・コンプレックス」だと。

 そしてアメリカの少女小説はこれが多く(「若草物語」「少女レベッカ」など)それでいてこの男のファンタジーを書くのは、女性作家が殆どという指摘。

 これは男のピグマリオン幻想と女性のシンデレラ幻想が、共依存しているからという分析も、思わず納得しちゃいます。

 そして続編の「続あしながおじさん」では、孤児院を運営する主人公サリーが優良な人間を残すべきだとする「優生思想」に目覚めたりする危ない箇所などなど…

(その辺については自分の前のブログの、記事「続あしながおじさん」と「優生学」を参考にしてください)

 多方面から「少女小説」を分析されていて、「世界名作劇場」系の作品が好きな自分には面白く読めましたね。

 ちなみにこの本で紹介された作品は「世界名作劇場」でアニメ化されていますが、その感想も書かれていました(作品の内容について著者は、納得されていないようでしたがw)





図説 英国レディの世界 (ふくろうの本)

児童文学の教科書

赤毛のアン スクラップブック

ケイト・グリーナウェイ ---ヴィクトリア朝を描いた絵本作家 (らんぷの本)



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COMMENT

>作品の内容について著者は、納得されていないようでしたがw

この本は読みましたが、アニメ化を文学者の立場から見るとああなりますかね。
理解示そうとされてる方では思いますけど。
ペリーヌが医者という職業に関心持った話とか結構細かなことにも言及してますし、
きちんと観てらっしゃるように思えます。
世界名作劇場ファンとしては、
原作のアニメに取り入れられなかった部分や、変わってしまったことや、
優生思想の話なども含めて時代背景がわかって面白かったですけど。
この本でオルコットの妹の絵初めて見ましたけど、
「愛の若草物語」のエイミーの絵とは随分感じが違ったなあ。

| Heika | 2017/04/08 06:17 | URL | ≫ EDIT

こんにちわ^^

すごく興味深く記事を読みました^^

この本、とっても読みたくなりました!
面白そうです^^

| mauloa | 2017/04/08 16:02 | URL |

mauloaさんこんばんは。

>すごく興味深く記事を読みました^^
そういっていただけると嬉しいですよ(^^

ではでは

| J.B.HAGI | 2017/04/08 20:42 | URL |

Heikaさんこんばんは。

>アニメ化を文学者の立場から見るとああなりますかね。
赤毛のアンにも納得していなかったですね。

>優生思想の話なども含めて時代背景がわかって面白かったですけど。
細かく分析していて興味深い話が読めてよかったです。

>「愛の若草物語」のエイミーの絵とは随分感じが違ったなあ。
何歳の時に描いたのかな、微妙ではありましたね。

ではでは

| J.B.HAGI | 2017/04/08 20:51 | URL |















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